【ベピオ】ニキビ治療薬の効果と副作用、使い方を皮膚科専門医が解説!【ベピオゲル】【ベピオローション】

 

こんにちは。茨城県古河市のいけがき皮膚科院長の生垣です。

毛穴のつまりが原因でできるにきびですが、

今回はその毛穴のつまりを抑える薬の一つである、ベピオについて、話します。

ニキビの治療薬でベピオが処方されました。どんな薬ですか?

ニキビの原因である毛穴のつまりを抑える薬ですが、使うときは注意点も多くあります。今回はそちらを詳しくお話していきます

こちらのブログの内容は以下の動画でも説明しています

 

ベピオゲル、べピロ―ションとは

ベピオは、主成分として過酸化ベンゾイルを含むニキビ治療薬です。

過酸化ベンゾイルとは、ニキビの原因である毛穴の詰まりを改善する効果があります。

ベピオゲルに含まれる過酸化ベンゾイルの濃度は2.5%であり、保険適用の医薬品となっています。

 

過酸化ベンゾイルは欧米では60年以上前から使われています。

耐性菌の発生が報告されていない、長期に使用できるニキビ治療薬です。抗炎症作用もあり、赤いボツボツにも効果的です。

さらに、過酸化ベンゾイルには角質除去のピーリング作用もあり、毛穴の詰まりを解消します。

ベピオはニキビの初期段階から炎症が収まった後のニキビ跡にも効果があります。さらに、ベピオは抗生剤と併用できるため、併用することでより効果的にニキビをケアすることができます

このようにベピオはニキビ治療において効果があり、正しい使い方を知ることで効果を最大限に引き出すことができます。

 

ベピオの使い方

ベピオは主に夜に使用することが推奨されています。

塗り方

ベピオは顔全体に塗るのがよく、ニキビの予備軍となる毛穴のつまりにも塗布することが重要です。ただし、目の周りや口の周り、じゅくじゅくしたニキビのある箇所には塗らないようにしましょう。

ベピオは2つの製剤があり、ベピオゲルベピオローションがあります。

ベピオゲルの1回の使用量はワンフィンガーチップユニット(人差し指の先から第一関節までの長さ指先全体に広がるくらいの量)を使用します。

ベピオローションは手のひらにだした時に、1円玉大直径約2cmの大きさ分の量を使用します。

こずらず、やさしくぬってください。ぬった後は手を必ず洗ってください。

ベピオの効果

ベピオの効果を実感するためには、約3ヶ月程度の継続的な使用が必要です。

データによると、3ヶ月経った時点でニキビが62%減少したという報告があります。

一方37%の人が副作用を感じたとのことです。

ただし、多くの場合1ヶ月続けると刺激を感じる頻度は減っていきます。

ベピオの副作用

ベピオでの最大の注意点は3%くらいの人にアレルギー性の接触性皮膚炎つまりかぶれが起こってしまう事がある点です。

かぶれには2種類あります。アレルギー性のかぶれと刺激性のかぶれです。

アレルギー性のかぶれだと、触れたら必ずかぶれてしまいますが、刺激性のかぶれの場合は、肌の状態によってかぶれない事があるのが特徴です。

アレルギー性のかぶれの場合は使用を中止するしかありません。

先程多少の刺激なら続けていきましょう。という話しをしましたが、この場合は、ベピオを続けてはいけません。

続けていても、ひどくなる一方だからです。

かぶれているかどうかは、専門医でも判断が難しい場合もあるため、必ず皮膚科を受診してください。具体的には強い赤みやかゆみ、黄色い液がでているなどの時は使用を中止してください。ここがベピオの使用の難しいところになります。

少しのヒリヒリ感や赤み、皮むけで薬をやめてしまう方が多いです。

ベピオの副作用をおさえるには

では、どのようにすればよいでしょうか?いくつか方法があります。

1つ目は、保湿剤と重ねて外用したり乾燥が強い場合は、保湿剤を頻回に塗る方法です。注意点としては保湿剤自体が肌に合わない事があったり、保湿剤によりニキビができてしまう場合があるという事です。
2つ目は、使いはじめは少ない量や狭い範囲から初めて徐々に塗る量と範囲を広げていく方法です。たとえば、おでこに数日間米粒程度の量から開始して、次はあずき大位の量にして次の段階で、通常の半分くらいの量をぬっていくという方法です。
3つ目は、塗って刺激を感じたら洗い流してしまうという方法です。この薬の成分は大体10分から15分で浸透しますので、刺激感が強い方は洗い流しても問題ありません。少しずつ肌に慣らしていくのが大切です。

以上3つの方法を組み合わせても良いと思います。

ただし、先程言ったように3%くらいの人は本当にアレルギー反応が強くでて使えない方もいらっしゃいます。

ベピオの注意点

ベピオを使う際の注意点がいくつかあります。

ベピオの使用中は紫外線に敏感になっているため、日中は紫外線対策をしっかり行うことが重要です。
1ヶ月に1本の使用量が推奨されていますので、1ヶ月後には使い切るようにすると良いでしょう。

ベピオの効果がでない原因の一つで、しっかりと推奨されている量を塗っていない場合があります。

ベピオは継続的に使用することが大切であり、ニキビの再発を防ぐためにも定期的なケアが必要ですが、2か月で1本くらいしか使わない人がわりと多いです。

先ほど話したように、毛穴のつまりを抑えニキビ予防ができる薬になりますので、顔全体にぬってください。赤いボツボツのところしかぬっていなかったという人も多いです。

ぜひ、ヒリヒリや赤みがなければ1か月1本を使いきるようにしてください

 

ベピオは、抗生剤ははいっていませんので、耐性菌の問題がありません。

そのため長期間塗るのに適しています。

また顔全体的にベピオを塗って、抗生剤であるダラシンや、アクアチムや

ゼビアックスなどを赤いボツボツに重ねてぬったりする事もあります。

他の毛穴のつまりを良くする薬である、ディフェリンと組み合わせる事も可能です。

ディフェリンについては、別に動画を挙げておりますので、そちらもご覧ください。

ディフェリンは以下の動画で説明しています。

 

 

ベピオとディフェリンのちがい

ディフェリンとの違いも話します。

1つ目は、ベピオは顔だけでなく、胸や背中に塗る事ができます。デイフェリンは顔のみが保険適応になります。
2つ目は、ディフェリンはゲルしかありませんが、ベピオはゲルとローションがあります。特に体に塗る際は、ローションが塗りやすいと思います。
3つ目は、ディフェリンは基本的に妊娠・授乳中の方は使用することができません。

ベピオは妊娠・授乳中の方にも注意してではありますが、使う事ができます。

ベピオを使用する際に

最後にベピオの注意点をいくつか追加します。

注意点の一つとして脱色があります。脱色というのは、皮膚ではなく髪や眉毛、服や枕カバーなどです。服や枕カバーなどは白にするといいと思います。
ベピオは25℃以下の涼しいところで保存してください。

まとめ

ベピオはニキビ治療にとても効果的な薬です

ただ、ぬってから1ヶ月くらいは赤みガサガサが出やすい薬のため、ここでやめてしまう人が多い事です。

赤みガサガサがでたら、

①保湿剤を併用する

②少ない量や範囲からスタートする

③ヒリヒリしたら15分くらいで洗い流すなどの対処法があります。

ただし3%くらいの人はかぶれてしまいます。

強いかゆみ・赤み・じゅくじゅくするようなら中止してください。

また、1か月1本使い切るようにしましょう。

治療効果が感じられるのが3か月が目安になります。

効果がないと言って1から2か月でやめずに継続的に続けていきましょう。

ニキビ治療は基本的に長期戦です。規則正しい生活、バランスのとれた食生活に加えて、しっかりと正しいぬり方と量で長期的に使用していきましょう。

 

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